シルウィンの横顔を、そして石を池に投げ込むたびに嬉しそうにする横顔を見て、ただただアウラは考える。これ以上シルウィンに関わってはいけないのだと。その為に最も正しいことは、シルウィンを見捨てることだと。
静かに息を吐いていると、不意にアウラの耳に囀りの声が聞こえた。その声は、アウラの協力者がアウラを呼ぶときに使うためのものだ。アウラが立ち上がると、シルウィンは不安げな瞳をアウラに向ける。
「大丈夫。ちょっと門の近くへ行くだけですよ。門に誰か入ってきたら、すぐに戻って来ます」
暗にカーティスが帰ってきたらすぐに戻ると伝えると、シルウィンは安堵したように「早く帰ってきなさいよ」と笑う。その笑顔に力がないように感じて、アウラはすぐに目を逸らし、門のほうへ歩いていく。すると、門の格子の隙間から顔を覗かせるようにして、明るく笑う男が立っていた。
「何の用だ、シアン」



