【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


(あんな男のせいで、制限される必要はないのに)

 アウラはシルウィン同様、カーティスをそこそこ使える愚か者だと考えていた。それは今も同じで、カーティスの利用価値は霞んでいない。しかしアウラはカーティスを見ると不意に殺してしまいたくなる衝動を覚え、そんな自分に戸惑っていた。

 かといってアウラは、どんなに計画を思いついたところで、それを実行することは出来なかった。自身に課せられた役目を終えない限り、ここで問題を起こしてはいけない。もう自分の命は、自分だけのものではない。村の無念を、家族の痛みを、村を消した首謀者に与えない限り、アウラが自由に行動できる未来はない。

 しかし既にアウラは二つ、自身への離反を起こしている。それはシルウィンを助けたことだった。あの時、シルウィンを助けてしまう前、アウラはバルコニーの上の階にいた。

 そこで公爵同士の密談に耳を傾け、家族を、村の人間を陥れたものを調べようとしていた。そして誰がその者であるかを確信し、その確証を得ようと窓の中を覗き込もうとした瞬間、シルウィンの助けを求める声がアウラの耳に入ったのだ。それからは、何一つ考えることなく咄嗟に体がシルウィンのもとへと動いてしまった。