【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 外で揺れていた木々が紅く染まり、風が吹かないことで葉は枝に留まったまま、太陽の光を受けている。シルウィンとアウラは、午後の昼下がり、たまには気分転換にと別邸そばの泉の前で、ただただ座って過ごしていた。

 泉には、生き物がいない。それを知ったシルウィンが、ひたすらに座ったまま水切りをして遊ぶ。そんな彼女の横顔を、アウラは静かに見る。

 あの夜会から、二十日ほどが経過した。カーティスはシルウィンを、そしてアウラを、それとも二人共を避けているのか、朝帰りをしては帰ってきてすぐに眠り、湯あみをして家を出るという生活を続けている。

 アウラの調べでは、仕事も一応しているらしく、何かしらの衝動を仕事にぶつけているようで、以前よりは成果を上げている様子だった。

 一方のシルウィンは表面上いつも通りの状態に戻った。初めの三日こそぼんやりとまるで人形が歩いている様子であったが、徐々に以前の明るさを取り戻している。ただ、あの夜会で来ていたドレスの色合い……寒色系のドレスは選ばなくなり、毛皮に関する装いもしなくなった。