【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 カーティスは、夜会でのシルウィンに対し、惹かれるものがあった。そして魔がさしたように襲おうとしたのだと結論付けたくなる心を、酒で流すように瓶を開けていく。あれは仕置きだと。シルウィンが思い通りにならないから仕置きをしようとしたのだと考え直していき、最後に侮蔑する目を自身に向けてきたアウラの幻影を見る。

(シルウィンのせいで、アウラに嫌われた。あの女、許せない)

 そう思いたいのに、心のどこかでは罪悪感のような感情が浮かんだ。力任せに組み敷いたシルウィンの目には涙が浮かび、その瞳に興奮を覚えたが、あの場ではまさしくシルウィンが被害者で、カーティスが加害者であったとカーティスは自覚をしている。

「……くそ!」
「カーティス様、なりません。お体に障ります!」

 その声に、カーティスの姿を探していた侍女が倉庫へと入ってきた。そして酒を呷り続けていたカーティスに駆け寄る。その侍女は、カーティスがシルウィン付きにしていたはずの侍女だった。