大きくてとても暗い箱。
時折大きな音を流し出す。


ここの映画館に来るのはしょっちゅうで、スタッフの顔や名前は覚えている…その代わり私の顔も彼らスタッフにはおなじみという訳だ。


あぁ、あの人また一人で来たよ…と噂になっているだとかいないだとか。
そんな事どうでもいいけど。


それより今は熱く視線を向ける画面に集中したい。


「……」


たまに気になるのは、3つ隣で前の席に座る人のポップコーンを食べる音や飲み物を啜る音。

嗚呼、もうほとんど飲み切っているというのにまた啜っている。