「明日、ユフェ様は一日中このお部屋で過ごすことになりそうね」
『……え?』
「だって猫は雨の日に寝る生き物でしょう? 鳥さんたちも明日は大雨になるって言っていたし、お部屋の外に出ることは難しいと思うわ」
『ロッテ、私はただの猫じゃなくて妖精猫だから雨の日くらい平気だよ!』

 そう豪語するシンシアには自信があった。

(猫アレルギーのイザーク様が私に触っても大丈夫だった。つい最近、人間の言葉を話せるようにもなった。中途半端に呪いが掛かっているなら明日が雨でも眠くはならないはずよ)

 シンシアはこれまでのことを含めて、姿が猫でも本質的な部分は人間のままだと結論づけた。


 ――明日は絶対パンケーキを食べに行くんだから!!
 シンシアは固く心に誓ったが、その願いは無情にも散ることとなる。