あの夢の続きをもう1度描けたら


特別人見知りじゃないけど、周りに気を遣うような作った笑顔をすることが多いのに。

今は……心から笑ってる。


これはわたしも積極的に協力してみる価値あるぞ。

嬉しくなって、わたしはお菓子をいつも以上にたくさん頬張ったのだった。



***



「今日はありがとう、お菓子も美味しかった」

「ううん! またおいでよ〜!」

「柚子ちゃん。これからも雛乃をよろしくね」

「はい! もちろんです……!」


もう夜に近い時間になって、柚子は帰ることになった。

夜ご飯も食べていけば、とお兄ちゃんが提案してきたが、柚子は首を横にぶんぶん振ってしまう。

今日はお兄ちゃんと話すことがメインになってしまって勉強が捗らなかったけど、まあいいか。


「駅まで送るよ」

「え……っ、申し訳ないです!」

「結構遅い時間だし、親に心配されちゃうよ」

「でも……」

「じゃあ、行こうか。雛乃、行ってくる」


いってらっしゃい、と言うよりも早くお兄ちゃんは柚子をエスコートして駅に向かってしまった。