お兄ちゃんに頼まれたけど、わたしとお兄ちゃんどっちやってもそんなに変わんないでしょ。
……柚子とお兄ちゃんをふたりきりにさせないと。
お母さんが外出した後、わたしはお風呂場へ方向転換したのだった。
「……よしっ」
お風呂をスポンジでゴシゴシ磨いて、洗剤をシャワーで流す。
後は沸かすだけだ。お風呂洗い終了。
沸かしてもまだ誰も入らないだろうし、それは後ででいっか。
「ごめんねー。お母さんに風呂洗い頼まれてたー」
「おかえりー」
そうして部屋に入ると、柚子とお兄ちゃんが楽しそうに話していた。
良かった。柚子も緊張が溶けたみたいで仲良さそうだ。
わたしは邪魔しないようにお兄ちゃんと柚子の向かい側に座る。
……それにしても、柚子とお兄ちゃんってお似合いだな。
顔がお互い整っているからっていうより、笑った感じとか纏う雰囲気とか見事にマッチしている。
運命の人……という言葉が脳裏に過ぎる。
お兄ちゃんが初対面でこんなにも打ち解けるなんて初めて見た。



