あの夢の続きをもう1度描けたら


だが考えてみると、あの短い時間で惚れるとなると一目惚れしかきっかけが思い浮かばない。

お兄ちゃんはかっこいいからおかしくもない。

お兄ちゃんにいつ聞かれてしまうかもわからないので、わたし達は一旦この話を終了させた。


勉強を教えてもらおうと思ったけど柚子がそれどころじゃなかったようで、わたし達はガールズトークに花咲かせることにした。


「こないださ、変なのがあって」


「変なのって?」

「私の部屋に物置があるんだけど、あそこから変な光がぶわーって出てきたんだよね」


……まさか、トラオムへの扉、的なやつじゃ。

柚子もトラオムへ行ったの……?


「懐中電灯が光っちゃったんじゃない?」

「それにしては強烈だったな……」

「そうなんだ」


うん、これはトラオムへの扉ですな。

だがそんなの言えるわけない。

信じてもらえるかどうかわかんないし。