何も知らないわたしがそんな希少な魔法使いのうちのひとりだっていうのか。
「僕、光の魔法使い初めて生で見たよ……」
「ああ、私も……」
わたしは自分のてのひらを見つめる。
まさか、わたしにそんな力があったなんて……。
「だからあの時ヒナノが魔力をくれたおかげで倒せたんだ。ありがとうな」
「ど、どういたしまして……」
手を繋いだ理由がわかったのに、まだもやもやしてる。
なんでだろう……よくわかんないの。
「そういえば……ヒナノを狙ってたよね。あの騎士団」
「ああ、なんでヒナノを狙うかはわからないけどな。ヒナノの顔写真まで持ってた」
「ヒナノって何者なんだよ……」
「そう言われても……普通の人としか言いようがないよ。王族でもなんでもないし」
「そうだよな……」とアランは深く考え込む。
わたしが狙われてる……確かに、あの時の騎士たちはわき目も振らずわたしの方に向かっていた。



