「何の魔法が得意か確かめる方法は何個かあるんだ」
「一番やりやすいのが友達に自分の魔力をあげることだよね」
「そうだな。一番自分が生み出しやすいものをあげることになるからな。で、魔法使いは他人の魔力を蓄えるのが苦手だから貰った魔力をすぐに追い出すんだ。それを使って得意な魔法がわかるという方則だ」
ユラハの説明をユキが補足してくれる。
ユキとユラハによる魔法講義を受けているような感覚になり、わたしは生徒のように座る姿勢を正した。
「俺はヒナノから魔力を受け取ったんだ。だから間違いない。ヒナノは魔力を持つれっきとした魔法使いだ」
「……!」
さっき、ユラハは自分の魔力を友達にあげたら得意な魔法がわかるって言ってた。
つまりユキが戦闘の時に手を繋いだのは、わたしの魔力を貰うためだったってこと……?
そう思うと一気に脱力してしまった。
あんなにドキドキしたのがバカみたいだ。
でもそうだよね。ユキは意味もなく手を繋ぐような人じゃない。
よく考えたらそんなことくらいわかるはずだ。
「なーんだ、そうだったのか! 良かったじゃねーか! ひとりだけ魔法使いじゃねえってことにならなくてよ!」
「う、うん……!」



