身体ごと吹っ飛んでいきそうな爆風をわたしは堪えながら受け止めた。
す、すごい……。
地球では絶対に見られないものを見て、感動というか胸が痺れてしまった。
そんな極大な魔法を放ったせいか、辺り一面が煙に包まれて戦闘の行方が見えなくなった。
「ごほっ、ごほっ」
あまりの煙に咳をしていると、次第に視界がクリアになる。
ユキは大丈夫なのかな。
先程兵士が振るった剣で肩に傷ましい切り傷ができたのを脳裏に過ぎる。
「ヒナノ! ユキはどうしたんだよ!?」
「ユキはどこに……」
「ユキならあっちにいるはず……」
騒ぎを聞いたアランとユラハとニゲラがわたしのもとに駆けつける。
ニゲラもりんごを丸ごと口の中に入れたのか、頬が物理的に膨れている。
ニゲラの可愛さに骨抜きになりそうになりながらもわたしはユキが走って行った方角を指さした。
ユキは魔法の影響で荒れた大地に佇んでいた。
ユキは倒れた騎士達を、荒れた地面を見ては自分のてのひらを見つめている。



