わたし……?
いや、もしかしたら人違いかもしれない。
騎士達の会話までは聞こえなかったものの、手に持っている写真を見る限り、誰かを探しているようだ。
そして先頭に立つ騎士と目が合うと、大軍がこちらに向かってきた。
何をするつもりなの……?
騎士達、しっかり剣を手に持っているではないか。
「ユキ……何が起きてるの?」
「訳わかんねーよ」
ユキに尋ねてみてもわかるはずもなく、わたしは必死に考えをまとめる。
「「おおおおおお!」」
ついに顔がはっきりと見えるところまで迫ってきた。
どうすればいいのわからず、佇むだけのわたし。
「ヒナノ。魔法を使いたくないとかはわからないけど、今は我慢しろよ」
「え、ユキ?」
「クレアツィオ・イッヒ・ゼルプスト!」
ユキもついに騎士達に合わせて剣を鞘から取り出した。



