ニゲラも気に入ってくれたのか、ユキに嬉しそうに頬をすり寄せる。
わたしはそんなふたりを微笑ましく見つめた。
「ありがとう、ユキ」
「ん? どういたしまして?」
「……ふふっ」
「え、なんで笑ったの? 俺なんか変なこと言ったか?」
「ううん、なんでもない!」
わたしを励ましてくれたからお礼を言ったんだけど。
もしかして気を遣ったわけじゃなくて心からそう思ってたのかな。
だとしても嬉しいや。
「とりあえずニゲラにりんご買ってあげないとな」
「それなら私が買ってくるぜ!」
頼もしい言葉とともに、アランはジャカジャカ財布を振って中身があることを示す。



