慌てて追いかけると、ドラゴンはとある一点を見つめながら止まった。
その視線の先はわたしもよく食べるもの。
「りんご?」
山積みになってるたくさんのりんごを欲しそうに眺めるドラゴン。
もしかしたら好物かもしれない。
わたしはそこのりんご屋さんに行き、そこにいるおじさんに尋ねた。
「すみません、りんご欲しいんですけど」
「お、嬢ちゃん! いくつ買うんだい?」
「えっと……」
あの子、どれくらい食べるんだろう?
小さいけどドラゴンだから、どれくらい食べたら空腹を満たすのかわからない。
でもたくさん買っても余ったら困るし……。
「ふたつお願いします」
「あいよ! 2.7ユーロやで〜」
あ、ユーロね……ユーロ!?
公用語が日本語なのに、通貨はユーロなの!?
というか、わたし手ぶらだからお金無いんだった。



