「どこ行くの?」
ドラゴンは答えてくれるはずもなく、わたしを置いていく。
身体が小さかったので、飛ぶ速さもそこまでではない。
わたしもドラゴンについていったのだった。
***
ドラゴンについていくと、どこかの市場に着いた。
アーケード街のような商店街で、売られているものは知ってるものもあれば知らないものまである。
とても品揃えがよくて、賑やかな雰囲気で、わたしもウキウキしてくる。
「え、なんでここにドラゴンがいるの……?」
「ドラゴンが人に近づくなんてありえないのに……」
そして、どこからとなくそんな声が聞こえてくる。
そういえばユキも言ってた。
"ドラゴンが人間に懐くなんて珍しい"って。
ドラゴンと人間は一緒の空間にいることが少ないのかな。
「あ!待って!」
考え事をしてたら、ドラゴンがどんどん離れていってしまう。



