思い出しながら路地を歩いていたら、無事にユラハの家に着いたようだ。
インターホンがないので、大きな声でユラハの名前を呼んで、待つことにした。
しかし、しばらく待っていてもユラハが現れなかったので、留守なのかと肩を落とした。
今日は諦めるしかないか。
お土産も持ってないし、お礼をどうするかちゃんと考えてから行こう。
わたしは帰るためにもう一度森に入る。
「それにしても、ここの森は綺麗だな」
夕陽に照らされて輝く木々。
前に来たときも、淡い月の光で映えていた。
地面には雑草がなくて、芝生みたいなものや数枚の落ち葉くらいしかない。
すると──
「クゥー」
どこからか、可愛いらしい鳴き声が聞こえた。
これってもしかして……!
聞き覚えのあるわたしは声の主がわかって、目をキラキラして期待する。