あの夢の続きをもう1度描けたら



「お兄ちゃん……?」


お兄ちゃんは庭に一体何の用があるんだろう?

草むしり……いや、流石にそれはないでしょ。


気になったわたしはそのまま戻ってこないかしばらく観察したが、お兄ちゃんの影すら見かけなかった。

なのでお兄ちゃんの元へ一旦家から出ることにした。


ごく普通の一軒家に小さな庭。

そこにはガーデニングが趣味のお母さんのおかげで色とりどりのお花がたくさん咲いていた。


だけど、庭についてもお兄ちゃんの気配は全くといっていいほど感じられなかった。


「お兄ちゃーん」


呼んでみるものの、やはりお兄ちゃんの応える声が聞こえない。

庭を見回すわたしはあるものに目を奪われた。


それは、庭の隅にある緑色の収納庫にあった。


「光ってる……?」


ただの収納庫のはずだが、扉の隙間から光が漏れている。

お昼時だからか、輝くものは余計反射されてよく見えるのでとても眩しい。