あの夢の続きをもう1度描けたら


それでトモくんがユキと友達なら……!

だからトモくんはユキの名前を知ってるのかもしれない。

そうだ。そうに決まってる。


「本当に言ってるんですか……? 違いますよ」


なのに、何故かトモくんは唖然としている。

そしてわたしの仮説を否定した。


「先輩って筋金入りの鈍感ですね」

「鈍感じゃないもん! なんでそんなこと言うの!」

「鈍感です。馬鹿です!」


トモくんは答えを言わず、むしろ悪口を言いながらため息を盛大についた。

あの、ため息したいのはわたしの方です。


「では、本当の強行手段に行きますよ? これを使いたくなかったんだけどな……」


トモくんはぼやきながらも、すぐに真剣な顔になる。

わたしもそんな彼に合わせて、身構えた。



「クレアツィオ・イッヒ・ゼルプスト」



彼の魔法がかかってしまった。