「なんだよ、だったら最初から言えよ」
「お前が勝手に拗らせたんだろ」
「そうだっけ?」
だけど、あどけなく笑うアランさんを見れば綺麗だなと思わずにいられなくて。
……アランさん、こんなにも綺麗でいい性格してるのに、色々勿体ないなあ。
そんなことは本人の前では言えないんだけど。
すると、アランさんはわたしを指差した。
「それよりも敬語とかさん付けとか気持ち悪いからやめろ! ユラハにもユキにもだ!」
「え、はい……うん、わかった!」
「ならよし!」
アランには逆らえないような、有無を言わせない何かがあって、思わず背筋をシャキッと伸ばす。
「僕にも普通に接してくれたら嬉しいな。えっと……名前、聞いてもいいかな?」
「あ、ごめん。まだだったね」
ユラハの言葉でわたしはまだ自己紹介をしてなかったことを思い出した。



