トモくんは深呼吸をして、言ったのだ。
「雛乃先輩の笑顔に一目惚れして、一緒にいられることが何よりも幸せだったとよく言っていました」
そんなことってある……?
ユキがわたしのこと好きだったって……夢みたいなことがあっていいの?
信じられない気持ちと、両想いだったことが嬉しくて笑みを浮かべる。
「そうです。そうやって嬉しそうに笑う姿がとても愛らしいとも言っていました」
トモくんはどうしてそんなことを言えるの?
トモくんは一体何者なの?
トモくんはトラオムの住んでたの……?
それとも……まさか!
わたしはもうひとつの仮説にたどり着く。
「トモくんは……ユキの友達なの?」
──ユキがもし生きているなら。
柚子と同じように生きているなら。



