目を疑うと、トモくんはわたしに向き直る。
「……本当に先輩らしいですね」
「え……?」
「先輩。前に言った強行手段、ここで使ってもいいですか?」
強行手段、とは。
ぽかんと惚けたまま、必死に頭を巡らす。
『あまりにも遅かったら強行手段にいくかもしれないので』
……あ、そういえば使ってなかった。
今更ながらに思い出してしまった。
「その顔、忘れてましたね」
「あはは……」
嫌な予感がして、背中に汗をかいてしまう。
もしかして、脅されてしまうんじゃ……。
例えばわたしの弱みを見つけて、秘密にする代わりに付き合え……とか。



