バクバクと心臓の鼓動が早まっていき、足まで震えそうになったその時に、トモくんが図書館に入った。
「……あの、早速本題でも大丈夫ですか?」
「う、うん……っ」
「では……返事を……先輩の気持ちを教えてください」
トモくんも声が上擦っていて、わたしは余計に緊張感に包まれる。
わたしは、答えが決まっている。
言わなきゃ……素直な気持ちを。
わたしは頭を下げた。
「ごめんなさい……トモくんと付き合えません」
「……理由を聞いてもいいですか」
声は思った以上に冷静だった。
わたしが言うのもなんだけど……もっと傷ついた表情をするのかと思った。
「好きな人がいるの」
「あのファミレスの店員さんですか?」
「う、うん……」



