お兄ちゃんはニッコリとした笑顔を貼りつけて言った。
その表情はとても胡散臭いのは気のせいだろうか。
「雛乃の写真を何枚かもらえることになっただけだよ」
「え」
「お母さんが欲しがってたんだよ。だからちょうどよかった」
え……お母さんが欲しがっているのはなんでだ?
ちんぷんかんぷんなまま、わたしは家に入るお兄ちゃんの後を追ったのだった。
***
2日目は倍速だったかのようにあっという間に終わってしまった。
片付けも済ませて、わたしは図書館の前でトモくんを待っていた。
「……緊張する……」
例え断っても断らなくても、胸がドキドキしてしまうのは変わりない。
意味合いはトモくんと違うのかもしれないけど。
「お待たせしました! すみません、準備が長引いてしまい……」
「ううん! 大丈夫だよ!」
「……よかったです」



