あの夢の続きをもう1度描けたら


わたしは咄嗟にトモくんの腕にしがみ付いて、行かせまいと止めた。


今止めたら……お兄ちゃんにやられるのが目に見える!


お兄ちゃんはわたしを大事にしてくれてるから、多分トモくんを彼氏だと思い込んで色々聞き込んでしまうかもしれない。


トモくんは彼氏ではないのだ。

ここは止めなくては。



「「……っ、雛乃(先輩)!?」」


「え?」

「雛乃、彼から離れなさい」

「……。……!? ご、ごめんなさい!」


わたしが誤解を招かせてしまったと気づくのは、お兄ちゃんに指摘されてからだった。

慌ててしがみついた手を離して、トモくんにたくさん謝罪を入れた。


……トモくんを止めようと思ってたけど、逆にわたしが失敗してしまった。

なんでいつも失敗してしまうんだろうか。


わたしはまたそんな自分が嫌になって俯いてしまう。