「にしても、ユキはすげーよな。いつの間にこんなに可愛い彼女ができてたのか!」
「……っ、はい!?」
「ユキはぶっきらぼうだけど優しいやつだからさ。よろしく頼むぜ!」
アランさん、何か勘違いしてる……!
ユキというのはきっと、助けてくれた彼の名前のことだろう。
「ユキも、彼女の裸見たくらいで恥ずかしがるなって!」
「お前、もう少しオブラートに包めよ。男子かってーの。それにそいつは彼女じゃないから」
「じゃあ、なんでお姫様抱っこして連れてくんだよ! 好きなやつだからじゃねーの!?」
アランさんが目をキラキラ輝かせて、ユキさんに近づきながら問い詰める。
「いや、だから……」
ユキさんの困ってる顔を見た瞬間に、わたしはとっさにユキさんとアランさんの間に入って、両手を広げる。
「わたしとユキさんは付き合ってませんし、なんなら今日が初対面です!」
ポカンとするアランさんのサファイアのような美しい瞳に、女のわたしでもドキっとしてしまう。
事情とこれまでの経緯をざっと話せば、アランさんは面白くなさそうに「ちぇ」と舌打ちした。
アランさんって本当、女とは思えないくらい言葉遣いというか態度が男っぽいな。



