あの夢の続きをもう1度描けたら


「……知らないんだったら、知らないままでいいです!」


そう言ってトモくんはわたしの手をさりげなく引いて歩き出した。


「え……っ」


手を繋いでいるということがとても恥ずかしくて、わたしは固まりながら歩いてしまう。

耳まで赤くなったトモくんを見ると、わたしもその赤みが移ってしまった。



そうして1日目が終了した。

文化祭は2日に渡って行われるので、まだ半分ある。


わたしがトモくんに返事するのは明日の夕方。

わたしはトモくんを傷つけない、かつ穏便に断れる言葉を探していた。


“トモくんの気持ちは嬉しかったよ。でもごめんなさい。好きな人がいるから付き合えないです”


……みたいな?

こういう時こそ的確な言葉の方がいいってネットにも書いてあったから、こういう言葉の方がいいのかも。


せっかく仲良くなれた男子だけど、断ってしまったらこの後は仲良くできないのかな。


だけどそれはトモくんの問題だ。

わたしが介入できることじゃない。