あの夢の続きをもう1度描けたら


でも今更戻れないし、何より……

雛乃はか弱いからトラオムは踏み込んではいけないと思った。


だからザラームに騎士団を使ってもいいから必ず雛乃を追い出すようにと命じた。

ザラームは首を傾げながらも『ジン様の仰せのままに』と跪いた。



***



俺は違和感を感じていた。

それは真白さんの言葉があったから。


『あのさ、答えたくなければいいんだけど……あの人に妊娠された女性達は何人か知ってる?』

『迅を産んだ後も何人か被害者が出たからそれを含めてだと……6人かしら』


つまり、俺を含めて6人の子どもが産まれるはずだった。


だけど俺がトラオムに呼び出したのは、ユキとアランとユラハとザラーム。

俺含め5人しかいない。あとひとりはどこだ。


それが気がかりで可能性をいくつも考えていたところだった。


『お邪魔します……!』


雛乃が柚子ちゃんを家に呼んだのは。

世間って狭いなって率直に思った。