あの夢の続きをもう1度描けたら


「……そっか」


到底受け入れられる話じゃない。

でも俺は愛されて育っていると知ったから、これまで通りにしようと決めた。


それからもいつも通りに過ごしたけど、変わったこともあった。

それはその女性……真白さんが俺の家に来た時は俺も一緒に過ごすようになったこと。


真白さんは看護師で、日々仕事に専念している。

その姿がかっこよくて、俺は真白さんのことを尊敬するようになった。


「迅、来たよー。ハンバーグが好きなんだって? お肉買ってきたから皆で食べてね」

「ありがとう。お母さんに渡しとくね」


真白さんは慈愛に満ちた顔で目を細めた。

その姿は本当の母親のようで、俺はとても居心地が良かった。


真白さんと仲良くなって、俺の母親はふたりになった。

お母さんと真白さん。


だが、テレビの向こうにいるアイドルだけはどうしても父親だとは思いたくなかった。