わたしはお風呂場がどういう場所か知るために、そーっと覗いてみる。
「は? まじ?」
アンティーク調のインテリアだったので、予想つくようなつかないような。
だけど、当たり前のように温泉沸いてるとかあり得なさすぎる。
……もうここまで来たら驚かないわ。
わたしは大人しく脱衣して、温泉という名の風呂に入ったのだった。
シャワーを浴び終えて、わたしは湯船に浸かる。
他所様の家のお風呂なので、伸び伸びと浸かることなんてことはできない。
身体が温まったものの、体育座りをして身を縮こまっていた。
「……」
わたしはここに慣れる日が来るのだろうか。
多分来ないだろうな。
早く帰らないと。
「あれ、どうやって帰るの?」
行く時は波乱な道のりだったけど、お兄ちゃんについて行けば光があったわけで。



