あの夢の続きをもう1度描けたら


「ニゲラ、お願い……」


ドラゴン達が割れ目を埋めるようにさらに魔法を使ったその瞬間。


「嘘っ」


割れ目がどんどん深くなって、ヒビが拡大されていく。

最初は一部分だけだったのに、次第には空全体まで及んでしまった。


ビリビリ、とどんどん空が裂かれていって


──空が完全に崩壊してしまった。


辺りに戦慄が駆け巡る。

わたしも震え上がってしまった。

そして、予感してしまう。


──まだユキに何も伝えてないのに


皆が眺めるだけで何も動かない。


──ここでやりたいことがたくさん残っているのに


死を覚悟できないまま、死を迎えてしまうのではないのか。


──トラオムが消えてしまう。