「俺がそばにいるから。だから、頑張れ」
「……うん!」
わたしの魔力が尽きない限り、ドラゴンに力を送ることができる。
人々も輪になるようにアランとユキと手を繋いでいき、たくさんの魔力がわたしに集まった。
***
しかしわたしの魔力があまりなかったせいか、すぐに限界が来てしまった。
「はぁ……はぁ……まだだ……!」
「ヒナノ! 無理すんなよ! もう十分頑張ってるから……なあ!」
「アランの言う通りだよ。ヒナノちゃんのおかげでたくさんのドラゴンがまだ動けてるよ」
「でも! あっ」
わたしは力が抜けて、床にべたりと座り込む。
アランは今にも泣きそうな瞳でわたしを見つめた。
「アラン……泣かないでよ。わたしは大丈夫だからさ……!」
「だってよ、魔力を使い果たした人は死ぬんだぜ!? それがどういうことかわかって言ってんのかよ……っ」
わたしは目を見張る。
──アランが初めて泣いた。



