「でも本当なのかよ……」
「嘘なんじゃねーの?」
またざわざわ騒がしくなる。
「ヒナノ……」
アランはわたしを心配そうに見つめた。
いきなり光の魔法使いと告げられても誰も信じてくれない。
そこまで貴重な存在の人が現れるんだから、気持ちも理解できるが……今はそれどころじゃない。
わたしもまだ魔法の扱いが長けているわけじゃないけど、できることはあるはずなのだ。
大丈夫。わたしにはユキとアランとユラハがいる。
「ベニア・エドナデアティビ!」
わたしは目の前にいる一体のドラゴンに魔力を届ける。
先ほどからわずかな氷を吹かせていたドラゴンだ。
「グウオーっ!!」
するとドラゴンが空気を震わせるほどの大きな声で吠え始めた。
そして水ではなく氷を勢いよく放っていく。



