「ドラゴン達があんなに頑張ってるのに、俺たちは何もできねえのかよ……!」
「誰か……光の魔法使いは!」
「バカ言え! 光の魔法使いなんているわけねーだろ!?」
「幻の魔法使いとも言われているものね……でもひとりだけでも……」
町の人達の声が大きくなり、どんどん口々に言い合って喧騒になる。
光の魔法って……そうだ。魔力を増長させることができる魔法だ。
闇の魔法使いは人の魔力を奪うことができるが、光の魔法使いは人に魔力を与えることができる。
視界に入っている人なら誰にでも届けられるはずだ。
「あの! 光の魔法使いです!」
ドラゴンが……ニゲラ達が割れ目を塞ごうと頑張ってる。
わたしもできることがあるなら全力で取り組もう。
わたしが大声を上げたことで騒がしい声が一斉に収まって、わたしに視線が集まった。
隣にいたおじさんも「お嬢ちゃん、本当かい……?」と呆然している。
「わたしがドラゴン達に魔力を届けます!」
わたしは高らかに言い放った。



