「おじさん!」
「おー! お嬢ちゃん達かい。ドラゴン達が魔法で割れ目を塞ごうと頑張っているんだけど……」
りんご屋のおじさんに視線誘導され、空を再び見上げると確かにドラゴンが奮闘していた。
氷を作ったり、草花を咲かせたりして壁を塞ごうとしている。
「クゥーっ!」
「ニゲラ!」
するとニゲラも空へと羽ばたいていく。
「──ヒナノ!!」
それに合わせて信じられない声が聞こえた。
胸がドクンと高鳴る。
なんで、ユキが……っ
驚きが止まらなくて、わたしはさらにぼろぼろと情けなく泣いてしまう。
「ユキ! 今までどこにいたんだよ!」
ユラハが普段とは違い、珍しく声を荒げてユキを責め立てる。
確かにこんな状況で今まで何をしていたのだろう。



