「ユラハ! アラン!」
「良かった……! ヒナノとニゲラは無事だったんだな!」
「ごめん……わたしがここにいれば怪我しないで済んだのに……」
罪悪感のあまりふたりの顔を見れなかった。
ユラハが子どもをあやすような声音で「顔を上げて」と静かに言った。
怒っていないのが明らかで、わたしはおそるおそるユラハの言われた通りにする。
「……っ」
ふたりとも優しい表情をしていた。
「ヒナノちゃんがすぐ指示してくれたから、こんな軽い怪我で済んだんだよ。ありがとう」
「そうだよ! ヒナノがいなかったら、もっと派手にやられたかもな!」
「ふたりとも……ありがとう」
──外が騒がしい。
耳を澄ませば、ドラゴンの咆哮が辺りに響いていたのがわかった。



