あの夢の続きをもう1度描けたら


アランが地震を知らないということは、トラオムに地震という現象がないのかもしれないな。

日本は地震大国なだけあって、わたしはどこが冷静でいられた。


「アラン! ヒナノちゃん!」

「ユラハ……! なんだこれ……っ、めちゃくちゃ揺れて……っ」


「ふたりはあの机の下に入って頭を守って! わたしは……っ、あそこでいいや! ニゲラ行こう!」


だいぶ揺れている。

震度5……いや、下手したらもっとある。


わたしは物があまり置かれていない部屋が見えたのでソファーにあった毛布を勝手に拝借して、そちらで頭を守るようにニゲラと一緒に毛布で身を包む。


するとリビングの方からガラス物が壊れる音がした。


「ニゲラ……大丈夫だからね!」

「クゥー……」


ユラハ達……どうか無事でいて。

ユキは大丈夫なのだろうか。


ううん、今は自分のことが最優先だ。