「あの、トモくんっ」
「なんですか?」
恥ずかしさと混乱と申し訳なさと躊躇いをどう伝えたらいいのか。
わたしは俯きながら口を開いた。
「……重かったよね」
「え?」
トモくんは気の抜けた声を零す。
場の空気が焦眉に包まれただけあって、この言葉は衝撃的だったそうだ。
「あの、ここまで運んでくれたんだよね?」
「「……」」
沈黙が痛いよ……。
トモくんが何も言わず、空気がさらに重くなった。
ああ……どうしよう!
「最近ダイエットもしてないから体重が右肩あがりになってて、だからトモくんに迷惑かけちゃったかなって思った次第でございまして……」
頭が真っ白になったわたしは気がついたら淀みもなく話してしまった。



