眠気を忘れて起き上がったその時。
ドアの勢いよく開く音が響いた。
「……雛乃先輩っ」
トモくんが入って、わたしを捉える。
その声はひどく安堵していた。
「ごめんね……仕事は大丈夫だった?」
「もう終わったので大丈夫ですよ。先輩こそ平気ですか?」
「まだ眠いけど、だいぶ良くなったよ!」
「良かった……いきなり倒れたからびっくりしましたよ」
「本当にごめん……」
目を合わせられなくて視線を逸らすと、そこには見慣れた場所だということに気づいた。
保健室か……トモくんが運んでくれたのかな。
あの時、周囲にはトモくんしかいなかったから、わたしをここまで運んでくれたのは彼しかいない。
それを理解したわたしは一気に羞恥の気持ちが込み上がってきた。



