ユキが肉を焼く係に就任して、せっせと励んでいる。
そんなユキを微笑ましく見つめて、焼肉を受け取った。
「……だいぶ食べたな」
お肉と同じくらい野菜も食べて、満腹中枢が満ち足りてしまった。
しかも途中からサーモンを取り出して、ユキの魔法で炙りサーモンを作ってしまった。
サーモンも美味しかったな。
ふと横目でユキを見るとまだお肉を焼いていた。
「ユキ、全然食べてないんじゃない? 代わろっか」
「いや。大丈夫……あのさ頼みがあるんだけどさ」
ユキから自分用のお皿を取ってもらうように頼まれ、命令通り彼の元に持っていく。
「持ってきたよー」
「ありがと……今両手塞がってるから、食べさせてくれない?」
「え……っ」
片手でお肉を焼き、もう片方の手で魔法でサーモンを炙っている。
確かにユキが忙しいのはわかるけど。わかるけども。



