ユラハは魔法で薪を作った。
庭には芝生があるのだが、中央に砂利が円状に広がるスペースがある。
そこに薪を積み上げていく。
「それじゃあ、ユキお願い」
「……うん」
ユキの目がキリッとした真剣な眼差しに変わった。
固唾を呑むと同時にそんなユキに見惚れてしまう。
「汝のレーヴを借りて紅の剣となす」
腰にあった鞘から剣を引き抜く。
燃え盛る炎の如き剣の刃が薪に触れる。
「クレアツィオ・イッヒ・ゼルプスト」
薪に火が灯り、一瞬あたかも青空へと燃え上がるみたいに火柱があがった。
そしてすぐに火が弱まって、焚き火が完成した。
「す、すごい……」
いつ見てもユキの魔法は大胆で、わたしを圧倒させる。



