「なぁ、ここだけでパーティしねえか?」


それはある日いつも通りにユラハの家へやってきた時のことだった。

アランが突拍子もなくそう言ったのだ。


「パーティ?」

「だってよ、ヒナノと出会ってからだいぶ時間経ったのになんもしてねーじゃん!」

「そういえば半年過ぎるね。あっという間だ」


一緒に団欒しているユラハも口を挟んだ。

そうか。わたしがトラオムに通うようになってからもうそんなに経つんだ。

ユラハの言う通り、あっという間だな。


「そろそろ私達も付き合ってから2年経つし、いっそみんなでパーティしたいな!」

「いいね。やろっか。ヒナノちゃんもユキもどう?」

「それはもちろんいいけど……大事な記念日なのにわたしが入っちゃってもいいの?」

「うん、アランがそう言うなら」


ユラハは本当にアランに弱い。

アランが言うことならなんでも従う……は変か。

アランの望みを容易く叶えてくれる包容力抜群の彼氏だ。