「あっ!」
「どうかしたか?」
小さなドラゴンのことを思い出して、あたりを見回した。
「あの子無事かな……」
「あの子?」
「ちっちゃいドラゴンがいたはずなんだけど……」
わたしがきょろきょろするのを見て、彼もあたりを見渡す。
そして、彼はある一本の木を指差した。
「あそこにいるの、違うか?」
「そう! あの子!」
木の陰でうずくまってるドラゴンを見つけて、先程の小さなドラゴンだと確信した。
すると、そのドラゴンはひょこっと顔を覗いた。
「か、可愛い……っ」
小さなドラゴンと目が合ったわたしは、思わず心の声を漏らしてしまった。