今の呪文なら自分の思い通りに魔法が使えるからとても楽しい。
そこまで考えたところで、ニゲラが「クゥー」と鳴いた。
「今のってドラゴンの鳴き声ですか!?」
「あ、はい……」
すると、仮面をつけたふたりの男性がわたしとユキに話しかけた。
「とても可愛らしい声なんですね! 初めて聞きました……!」
「あまり騒ぐな。彼女が困惑してるではないか……でも俺も気になるな」
どうやらニゲラに興味が湧いたようだ。
「せっかくこうして会えたわけだし、ご一緒させて頂いてもよろしいでしょうか」
「はい、もちろんです! ユキもいいよね?」
「ああ。だったらユラハとアランと合流しよう」
男性たちはニゲラのことが気になるあまり、わたし達と話してみたいらしい。
わたしはユキの提案に賛成して、アランとユラハのところへ向かったのだ。
最後まで名前を知ることはなかったから、ええと……仮面もつけてるし髪色しかわからないな。
金髪さん、茶髪さん、今度会う時は名前を教えてくださいね。



