今は無事に魔法を使えてみんなと同じにようになった。
だから違う呪文の方が精度が上がるかな、とその呪文を一度限りで封印して、新しいものに変えたのだ。
“ ベニア・エドナデアティビ ”
この呪文はユキに助け合うことの良さを教わった時に学んだ言葉を込めた。
『人生経験を積むことで自分だけの呪文ができる。自分だけの呪文ができたらほとんどの人はその呪文だけで色んな魔法をこなせるようになるんだ』
ユキが言うには、魔法は自分だけの呪文を作れることで、本来の力が発揮するらしい。
しかし初心者がいきなり自分だけの呪文を作ることはできない。
なので最初は誰でもできるスタンダードの呪文から魔法の練習をしていくのだ。
そしてわたしはユキが貸してくれた魔法指導書で簡単な魔法の練習をすることになった。
だが、騎士団長の指摘で魔法指導書に乱丁があったと気づいて、ユキが申し訳なさそうに謝ったのはまた別の話。
……とまあ、なんだかんだあったけどそのおかげで自分だけの呪文を見つけられたのだ。



