この夢が無限に続くものじゃないとしたら?
わたしはずっとユキとユラハとアランとニゲラのそばにいることができない。
皆の身に何かが起きても助けることができないのかもしれない。
そばにいたいのに。
ユキの笑顔を見ていたいのに。
嫌だ。嫌だ。
「笑っててよ、ヒナノ。俺はお前の笑顔が好きなんだ」
ユキの顔を見れなかった。
俯いて、涙を必死に堪えて、泣くなと言い聞かせる。
──夢の中で生きているユキに恋をしてしまったんだ。
わたしはユキと現実で結ばれることは……ないんだ。
目頭が熱くなって、冷たくなる。
わたしはユキを見上げて、笑った。
「ありがとう。わたしもユキの笑った顔、好き」
愛の告白ではなかったのは、空気で理解してしまった。



