「ニゲラ!」
遠くでも聞こえるように大きな声で呼ぶとニゲラは耳をビクッと反応する。
そして勢いよく翼を羽ばたかせてわたしとユキのところへやってきた。
「ふふっ、今日も可愛いね〜っ」
「クゥー!」
いつまでも撫でていられる。本当に天使みたいで可愛いし愛おしい。
これが母性というものなんだろうか。
ニゲラがもし人間だったら私はナンパやらしてなんとしてもそばにいるようにするだろう。
それくらいニゲラは罪な存在だ。
「ニゲラ」
意味もなく、ただ名前を呼んだだけ。
何度も呼びたくなっちゃうぐらい可愛い名前。
でも可愛いニゲラはわたし達と一緒の時以外、いつもひとりだ。
こんな可愛いニゲラをひとりにさせるなんて……ニゲラにはドラゴンのお友達とか両親とかいないのかな。



