言う通りに行うと、ユキは華麗なターンをして、息を呑んだ。
「ヒナノ?」
「うん? ……あっ」
ユキに見惚れてしまった……っ
ハッと我を取り戻して、ダンスにもう一度集中しようとしたが、時はもう遅し。
「ごめんなさい!!!」
ゆ、ユキの足を踏んじゃった……っ
しかも結構思いっきり……!
「痛くないから気にすんな」
ユキは痛みを顔に出さず、そのままダンスを続ける。
申し訳なさが募る。と共に、不安も過ぎる。
どうしよう嫌われたら……っ
「初めてにしては上出来だから、ヒナノは何も悪くない。俺こそリード上手くできなくてごめん」
「ユキは悪くないよ! わたしがダンス踊ること知らないばかりに……!」
「知らなかったのか? ダンスは毎年恒例だったけど……そういえば、この祭り自体知らなかったな。俺こそもっと聞けば良かった」



