……夢みたい。
ここまでお姫様みたいなエスコートをもらえて。
ユキの手を取れば、彼はわたしの手を離さないようにしっかりと掴んだ。
「……!」
ユキの導きで一気に距離が縮まって、わたしは胸が高鳴って平常心でいられなくなる。
「ヒナノ、ダンス苦手なのか?」
「……実はやったことなくて。ごめん、迷惑しかかけないかも」
「じゃあ、俺に任せて」
ユキがリードしてくれて、わたしはユキに釣られるようにステップを踏む。
……ユキの足を踏んでしまいそうでヒリヒリしちゃうんだけど。
いくらやったことないとはいえ、ユキに迷惑かけたくない。
「回って」
「え……!?」
「違う。こんな感じ」
わたしのターンが違うらしくて、ユキに「右手挙げて」と指示される。



