あの夢の続きをもう1度描けたら


***


夜になって、月光とランタン灯が淡くわたし達を照らしてくれる。


「わぁ……!」


アーケード街全体がランタンだらけだ。


色んな方が立食して楽しそうに談笑していたり。

まるで貴族が行うパーティーみたいだ。本とかでよく見かけるアレ。


「わっ、すみません……」

「チッ」


人通りが多くて、歩くだけで人にぶつかってしまう。

ぶつかった人に睨まれて自分が悪いのかと一瞬思ったが、詫びひとつも入れないことに腹が立ってくる。


怒りをぶつけようにも、騒ぎにしたくないし、もう姿が見えなかったので、抑え込んだ。


「ヒナノ。こっち」


ユキがそんなわたしを見つけてそっと手を包み込んだ。


「……っ、え、ユキ?」


繋がれた手を見て、わたしは信じられない気持ちでユキを見上げた。